不登校

娘が不登校になった。
少し前から、度々早朝に電話をかけてきて
「学校休むと、パパが怒るから、ママが学校に欠席届の電話してくれない?」
と、申し訳なさそうに頼まれていた。
初めの頃は、娘の役に立ってるような気分がしていたが、だんだん罪悪感に苛まれるようになった。
学校に提出している書類の、家族の欄には私の名前は無い。
娘は『母のいない子』なのだ。
それなのに、堂々と
「母でございます」と電話をしている。
「登校途中で気分が悪くなり、帰ってきました。寝ております」と嘘をつく。
前夫にも、いつまでも隠しておけない。バレた時に大騒ぎになるだろう。
第一、娘の様子がわからないのが心配だ。
娘は嫌がって怒ってしまったが、前夫に正直に話した。
意外なことに、前夫が叱らなかったので、娘はコソコソと家に後戻りしたりすることなく、ベッドから出ようともせず、学校を休み続けている。




突然、夫から電話があった。
普段なら、子ども達のことで電話しても、話を最後まで聞こうともせずに切る夫が
「明日、帰ってきてくれ。君には降参するよ。娘の様子を見てやってほしい。娘が落ち着きを取り戻すまで、居てやってほしい。荷造りなんかしなくていいから。体一つで帰ってくれれば、必要なものは、全部買うから」
と言う。
離婚してから
「口もききたくない」という態度を貫いていたのに。
それほど娘の状態が悪いということだろう。私だって心配だ。そばにいてやりたい。
ただ、そっとそばに寄り添って、安心させてあげたいと思う。
何も問い詰めずに、言いたい事を静かに聞いてあげようと思う。
さあ、明日からは、久しぶりに『ママ業』に専念するぞ〜。